17歳のシニア犬・ちーちゃんの介護記録
倒れなくなったから、てんかんの薬をやめてもいい?
自己判断で中断して注意を受けた、ちーちゃんの体験
ちーちゃんは、シニアになってから突然、3回ほど倒れました。
倒れた時の様子などから「てんかん発作の可能性もある」と言われ、現在は獣医さんの判断で、てんかん発作を抑えるためのお薬を飲んでいます。
ただ、一時期、倒れることがなくなったため、私は「もう薬は必要ないのかな」と思い、薬をやめてみたことがありました。
しかし、これは自己判断で行ってはいけないことでした。
ちーちゃんが倒れた原因は、特定できていません
ちーちゃんが倒れた理由は、今もはっきりとは特定できていません。
犬が突然倒れる原因には、脳で起きる「てんかん発作」だけでなく、心臓の異常による失神、血圧の変化、低血糖、貧血、腎臓や肝臓などの代謝性疾患、脳腫瘍や脳炎など、さまざまな可能性があります。
特にシニア犬の場合は、心臓や腎臓など、複数の場所に問題を抱えていることも珍しくありません。
ひとつの原因だけではなく、年齢による体力の低下や臓器の病気、排泄時のいきみなど、いろいろな要因が重なって倒れることもあるため、原因の特定が難しいことがあります。
高齢になってから初めて発作のような症状が出た場合
若い犬に多い特発性てんかんだけでなく、代謝性疾患や脳の構造的な病気が隠れている可能性も考えながら検査を進める必要があります。
てんかん発作かどうかを詳しく調べるためには、血液検査や尿検査、心臓の検査に加え、必要に応じて脳のMRI検査や脳脊髄液検査などを行うことがあります。
MRIは、脳腫瘍や炎症など、脳の構造上の異常を調べるために有用な検査です。高齢になってから初めて発作を起こした犬では、代謝性疾患や脳の構造的な病気が関係している可能性も高くなるとされています。([コーネル大学獣医学部](https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/riney-canine-health-center/canine-health-topics/managing-seizures?utm_source=chatgpt.com))
ただし、犬のMRI検査では、検査中に動かないようにするため、一般的に全身麻酔が必要になります。
17歳のちーちゃんは、腎臓などにも不安があり、全身麻酔の負担やリスクを考えて、MRI検査は受けていません。
そのため、ちーちゃんの場合は「てんかんだ」と完全に確定したわけではありません。倒れた時の様子や、その後の状態、ほかの検査結果などを総合して、てんかん発作の可能性を考えながら治療を続けています。
てんかん発作と失神は、見分けるのが難しいことがあります
犬が意識を失って倒れた場合、てんかん発作だけでなく、心臓などが原因で起きる失神の可能性もあります。
てんかん発作では、手足を強く動かす、体が突っ張る、口をくちゃくちゃ動かす、よだれが出る、排尿や排便を伴う、発作後にしばらくぼんやりするといった様子が見られることがあります。
一方、失神では、突然力が抜けて倒れ、比較的短時間で意識が戻るケースがあります。ただし、失神した犬も足を動かすことがあるため、見た目だけで飼い主が判断するのは簡単ではありません。([Vca](https://vcahospitals.com/know-your-pet/seizures-and-syncope?utm_source=chatgpt.com))
倒れた時に記録しておきたいこと
- 倒れる直前に何をしていたか
- 排尿や排便の前後だったか
- 意識があったか、呼びかけに反応したか
- 手足の動きや体の突っ張りがあったか
- よだれ、失禁、脱糞があったか
- 倒れていた時間
- 意識が戻った後の様子
安全に撮影できる状況であれば、動画を残しておくと獣医さんが判断する材料になります。
薬を飲み始めてから、倒れることが少なくなりました
ちーちゃんは、獣医さんの判断で、てんかん発作を抑えるためのお薬を飲んでいます。
今のところ、生活に大きな影響が出るほどの強い副作用は見られていないため、発作を予防することを優先して、服用を続けています。
実際に薬を飲み始めてから、ちーちゃんが倒れることは、とても少なくなりました。
そこで私は、「しばらく倒れていないし、もう薬を飲まなくても大丈夫なのではないか」と考え、一時的に薬をやめたことがあります。
数週間たっても倒れなかったため、獣医さんに「このままやめてもいいでしょうか」と相談しました。
すると、獣医さんからは、
「発作が出ていないからといって、
自己判断で薬をやめてはいけません」
と注意を受けました。
発作が出ないのは、薬が効いているからかもしれません
発作がしばらく出ていないと、「てんかんが治った」「薬はもう必要ない」と思ってしまうことがあります。
しかし、発作が起きていないのは、薬によって発作が抑えられているからかもしれません。
また、てんかん発作は毎日必ず起きるとは限りません。数週間や数か月起きない期間があったとしても、それだけで今後も発作が起きないとは判断できません。
抗てんかん薬は、薬の種類によって、効き始めるまでの時間や、安定した効果が得られるまでの期間、体内から抜ける速さが異なります。
例えばフェノバルビタールは、十分な効果が確認できるまで数週間かかることがあります。一方、レベチラセタムなど、比較的早く作用し始める薬もあります。つまり、すべての薬が同じように「数週間後から効く」というわけではありません。([Vca](https://vcahospitals.com/know-your-pet/levetiracetam?utm_source=chatgpt.com))
薬をやめた後もしばらく発作が起きなかったとしても、それだけで薬が不要だったとは判断できません。
薬の作用が一部残っている可能性や、たまたま発作が起きていない期間だった可能性もあります。
てんかんの薬を突然やめるのは危険です
抗てんかん薬の中には、急に中止すると、発作を誘発したり、発作の回数や強さが悪化したりする可能性がある薬があります。
フェノバルビタールなどの薬を中止する必要がある場合も、通常は獣医師の管理のもとで、数週間かけて少しずつ減量します。突然の中止は、重い離脱発作につながる可能性があります。([Merck Veterinary Manual](https://www.merckvetmanual.com/pharmacology/systemic-pharmacotherapeutics-of-the-nervous-system/anticonvulsants-for-treatment-of-animals?utm_source=chatgpt.com))
また、いったん中止してから再び飲み始めることを繰り返すと、将来の発作の危険性や重症度に影響する可能性も指摘されています。抗てんかん薬による治療は、開始後、長期間または生涯にわたって続けるケースがあります。([Vca](https://vcahospitals.com/know-your-pet/epilepsy-in-dogs?utm_source=chatgpt.com))
大切なこと
抗てんかん薬は、飼い主の自己判断で中止したり、量を減らしたり、飲ませる間隔を変えたりしないでください。
副作用、飲ませにくさ、費用などの問題がある場合も、まずは獣医さんに相談してください。
今のちーちゃんの様子
現在のちーちゃんは、以前のように突然倒れるケースはなくなってきました。
ただし、おしっこやうんちが出そうな時や、排泄する時には、ハァハァと呼吸が荒くなり、落ち着かなくなることがあります。
ちーちゃんは、以前、排泄の前後に倒れたこともあります。
そのため、倒れなくなったから完全に安心というわけではなく、今でも排泄時にはできるだけそばについて、呼吸や意識、体の力の入り方などをしっかり見るようにしています。
苦しそうな時には落ち着かせ、転倒しないように体を支えています。
次のような場合は、早めに動物病院へ
- 発作や意識消失が5分以上続く
- 短時間に発作を繰り返す
- 呼吸が苦しそう、舌や歯茎の色がおかしい
- 意識がなかなか戻らない
- 発作後も立てない、反応が極端に悪い
- これまでと明らかに違う症状が出た
5分を超えて続く発作は「てんかん重積状態」と呼ばれる緊急事態になる可能性があり、速やかな治療が必要です。([Vca](https://vcahospitals.com/know-your-pet/seizures-general-for-dogs?utm_source=chatgpt.com))
シニアになると、病院代や薬代も一気に増えました
シニア犬の介護では、お世話の時間だけでなく、病院代や薬代も大きな負担になります。
ちーちゃんは、15歳、16歳ぐらいまでは、大きな病気で頻繁に病院へ通うことがありませんでした。
その頃は、私も「ペット保険は必要ないかな」と思うぐらいでした。
しかし、シニアになると、本当に一気に老いを感じるようになり、検査をするたびにいろいろな病気や体の問題が見つかるようになりました。
「こんなにいろいろ見つかるんだ」と驚くぐらい、悪いところが増えていきます。
診察代、検査代、薬代、夜間病院の費用、介護用品代などが重なると、想像していた以上にお金がかかります。
ペット保険を検討する場合の注意
ペット保険には、新規加入できる年齢の上限、持病や加入前に発症した病気が補償対象外になる条件、通院・入院・手術ごとの限度額などがあります。
高齢になって病気が見つかってからでは加入できなかったり、必要な病気が補償されなかったりすることもあるため、検討している方は、元気なうちから内容を比較しておくのもひとつの方法だと思います。
私自身の経験からは、シニア期に入る前に、ペット保険について一度調べておくことをおすすめしたいです。
もちろん、保険料、補償内容、加入条件はそれぞれ違います。保険に入ることがすべてのご家庭にとって正解とは限りません。
毎月保険料を払う方法と、病気に備えて自分で貯金をする方法のどちらが合っているかも、ご家庭によって異なります。
どのような保険を選べばよいのか、ちーちゃんの場合にどのような費用がかかっているのかなどは、ご要望があれば、また別の記事で詳しく書きたいと思います。
飼い主さんに伝えたいこと
大切な愛犬が突然倒れたら、飼い主さんはとても不安になると思います。
検査をしても原因がすぐには分からないことや、年齢や持病によっては、詳しい検査を受けること自体が難しい場合もあります。
だからこそ、倒れた時の様子を記録し、獣医さんと相談しながら、その子にとって負担の少ない治療を考えていくことが大切なのだと思います。
そして、お薬を飲んで発作が出なくなった時ほど、
「もう治ったから、やめても大丈夫」ではなく、
「薬が守ってくれているのかもしれない」
と考えて、自己判断で中断しないでほしいです。
私も一度、必要ないのかなと思って薬をやめてしまいました。
けれども、獣医さんに相談したことで、発作が出ていないことだけを理由に薬をやめる危険性を知りました。
今は指示どおりに薬を飲ませながら、排泄時のハァハァや落ち着かない様子など、ちーちゃんからの小さなサインを見逃さないようにしています。
シニア犬になると、分からないことや心配なことが本当に増えていきます。
それでも、その子の今の状態を見ながら、獣医さんと相談し、一日一日を穏やかに過ごせる方法を探していけたらと思っています。
ちーちゃんも、同じように頑張っているワンちゃんも、
今日を穏やかに過ごせますように。
※大切なお知らせ
この記事は、ちーちゃんの体験と一般的な獣医学情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。薬の種類、量、服用期間、減量方法はワンちゃんの状態によって異なります。薬の中止や変更は自己判断で行わず、必ず診察を受けている獣医師に相談してください。
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コメント
コメント一覧 (2)
ちーちゃん、ヒョコッと立ち上がって走り回ってほしいな。
お金もかからなくなるし!w
おます
が
しました
11才で亡くなりましたので、ちーちゃんはそれよりも5年以上生きているんですね。
犬の5年は本当に大きい。
人間換算なら30年以上の重みです。
どうにか元気になってほしい反面、
なるべく穏やかに…という気持ちもあります。
ちーちゃんまだまだ可愛い姿みせてね。
おます
が
しました